シーンに合わせた服選び
何を選び、どう着るのか。服装は、その人について、あるいはその瞬間におけるその人の「人となり」について、実に多くを語ります。しかし、紳士服の着こなしは時に難しいものです。Etonのスタイリストが、タイムレスビジネス、ビジネスカジュアル、カジュアル、トレンド、レジャー、そして結婚式やパーティーにふさわしいフォーマルドレスコードまで、様々な着こなしのヒントと、シャツ、ネクタイ、ポケットチーフ、アクセサリーの正しい選び方をご紹介します。
タイムレスビジネス
ぱりっとしたシャツやスーツの袖に腕を通すと、誰でも背筋が伸びるもの。色、プリント、そしてテクスチャの組み合わせ方を習得することで、より堂々とした立ち振る舞いができるようになります。
タイムレスビジネスは、通常フォーマルな職場のシーンで選ばれるスタイルですが、少しの工夫で、洒落たイベントにもふさわしい上品な着こなしに応用できます。
__お勧めのアイテム: __スーツ、ドレスシャツ、ネクタイ、ポケットチーフ、黒のドレスシューズ。
__色: __伝統的には、白やライトブルーのシャツ、紺やチャコールのダークスーツ、同系色あるいはコントラスト色のポケットチーフ。
__シャツ: __クラシックな白やライトブルーのドレスシャツ、あるいはマイクロプリントやストライプなどのタイムレスな柄をさりげなく施したシャツ。
__スタイリストからのコメント: __限定エディションプリントのポケットチーフを胸ポケットから覗かせることで、フォーマルな装いの中にもさりげなく個性を表現できます。
ビジネスカジュアル
上品さとリラックス感を兼ね備えたビジネスカジュアルは、近年急速に注目を集めているドレスコードです。”正しい”服装の代名詞とも言えるビジネススタイルにモダンな印象を加え、襟もとのボタンを外すことでより快適に、そしてよりお洒落な着こなしが実現します。ビジネスカジュアルはスマートカジュアルと呼ばれることもあり、オフィスの中でも外でも活躍するスタイルです。
__お勧めアイテム: __オーバーシャツ、スーツジャケットもしくはニット、ドレスパンツもしくは上質なデニムパンツ、ドレスシューズもしくは革のスニーカー。
__シャツ: __無理のない上品さが特徴のしわ耐性フランネルシャツ、ニットジャージーシャツ、もしくはピケシャツ。
襟:ボタンダウンカラー、隠しボタンダウンカラー、ポインテッドカラー、もしくは高い汎用性を誇るカッタウェイカラー。
__カフス: __シングルカフス、ラウンドシングルカフス。
__スタイリストからのコメント: __汎用性に優れたデニムシャツやオックスフォードシャツは、ナチュラルで現代的な印象を演出します。または、しわ耐性のすっきりとしたドレスシャツをよりカジュアルに着こなすのも粋なスタイリングです。
カジュアル
カジュアルスタイルは、自宅でのくつろぎ時間や週末のお出掛け、地元のレストランでの食事など、休日のシーンに最適です。気軽な、それでいて洗練された印象を演出する2つのポイントは、品質と汎用性。様々な顔をもつカジュアルクラシックスタイルなら、最高品質の素材に遊び心を加えることで、斬新な着こなしを楽しむことも可能です。
お勧めのアイテム: カジュアルスタイルは豊富なオプションが魅力と言えます。カジュアルシャツ、オーバーシャツ、ジーンズ、上質なスニーカーを組み合わせたスタイルが定番です。
シャツ: ジャージー生地を使用したFilo di Scozia Tシャツ、ミッドブルーのデニムシャツ、洗練されたニュートラルカラーのオーバーシャツ。
襟:ボタンダウンカラー、隠しボタンダウンカラー、リゾートカラー、バンドカラー。
カフス:シングルカフス、ラウンドシングルカフス。
スタイリストからのコメント: カジュアルは自由な自己表現を叶えるスタイルです。お洒落な着こなしにするには、衣服の品質を前面に押し出すことが重要です。色とテクスチャのバランスを考えながら、シンプルな
スタイリングを心がけてください。
トレンド
シャツをアクセントに、自分らしいスタイルを表現。確かな品質と最適なシルエットをしっかり選びつつ、個性を打ち出したデザインで周囲の視線を集めます。トレンドは、フォーマルなビジネスシーンを除き、どんな場面でも取り入れることのできるスタイルです。
スタイルの組み合わせ: フォーマルな色合いのスーツやアクセサリーを合わせれば落ち着いた印象に。逆に、シーンよっては柄を使い、遊び心を加えるのもお勧めです。
お勧めのアイテム: 表情豊かなシャツと、落ち着いた印象ながらもスタイリッシュさのあるドレスパンツもしくはスーツ、ネクタイ、ポケットチーフ。スタイリングに合った靴。シャツを中心に全体のバランスを整えることがポイントです。
シャツ: 限定エディションプリントのドレスシャツ、もしくはカスタムデザインで個性的に。
レジャー
休暇や週末、仕事終わりの夕方もお洒落に過ごしたいあなたに。レジャースタイルには、無駄をそぎ落としたクラシックカジュアルな服が最適です。なめらかで柔らかく、快適な着心地のFilo di ScoziaジャージーTシャツや、冷感効果の高いリネンシャツ、しなやかなピケシャツなど、機能的で上質な素材を選びます。休暇のための荷造りや、街へのお出掛け、ゴルフに行く準備をするときは、衣服の品質を前面に押し出した着こなしを意識するとよいでしょう。
お勧めのアイテム: 快適な着心地のシャツ、季節に応じてスラックスもしくはショートパンツ、ローファー、スニーカー、サンダル。
シャツ: 気軽に取り入れられてタイムレスなポロシャツやTシャツ。夏にはリネン生地がお勧め。
スタイリストからのコメント: ポイントは品質を重視したアイテム選び。ビーチでは、高品質のシャツやスイムショーツを選ぶだけで上品な印象を演出できます。
フォーマル/ウェディング
フォーマルスタイルは、Etonが情熱を注ぐカテゴリー。私たちは、タキシードやホワイトタイシャツがもつ上品な魅力を守り、より多くの人々に伝えていきたいと考えています。最も格式の高いドレスコードであるイブニングスタイルを、次の世代へと繋ぎます。結婚式やパーティーなど、フォーマルなイベントに。
お勧めのアイテム: 最もフォーマルな場面にはホワイトタイ。洗練された印象を与えたい場合にはブラックタイ、個性を引き立てたい場合にはクリエイティブブラックタイ。詳細なガイドはこちらをご参照ください。
シャツ: Etonが誇る上質な生地を使用したタキシードシャツもしくはホワイトタイシャツ。張りのある固い襟や装飾的なデザインを選びます。
スタイリストからのコメント: フォーマルなホワイトタイは最も上品な装いであり、厳格な規則が定められています。一方で、ブラックタイはより自己表現を楽しみやすい装いと言えます。
一般的な着こなしのヒント 3つの基本ルール
1. 品質へのこだわり
品質へのこだわりに近道はありません。シャツ、アクセサリー、スーツ、靴を選ぶ際は、上質な素材を使用したものを選びます。長く使うことを想定して作られた衣服は、適切な手入れを行うことで、繰り返し着用しても使用感が現れづらいのが特徴。より長い期間その品質を実感することができます。シャツやアクセサリーのお取り扱いに関する詳細情報は、「お取り扱いの手引き」をご参照ください。
2. 最適なサイズ選び
最適なサイズ選びも重要なポイントです。良い仕立てには、その代金に見合った価値があります。例えば、カスタムメイドでスーツを製作しない場合でも、ほんの少しのサイズ直しで驚くほどの変化が生まれます。サービスの成果を知ると、その価格にも納得するでしょう。スーツのサイズ直しをする際には、袖丈や脚の長さ、背中と肩の幅を考慮してください。シャツの場合、まずはお客様にとって最適なフィットタイプとサイズを把握することをお勧めします。Etonの「フィットタイプ&サ
イズガイド」をご参照ください。必要に応じて、体型や好みに合わせて調整が可能な、Etonのカスタムメイドサービスをご利用ください。着こなしにおいて何より大切なことは、お客様に合ったサイズの衣服を身に着けることです。
3. 色(そして柄)
色(そして柄)もまた、スタイルの重要なポイントであるとともに、自分らしさを表現するために必要不可欠な要素と言えます。色の組み合わせを決める上で考えられるパターンは、同系色を使うか、コントラスト色を使うか――実はこの2つしかありません。ニュートラルカラーを基調に、色調をわずかに変えた色を組み合わせると、例えば濃紺にコントラスト色のオレンジを合わせたものと同じくらい印象的な着こなしが完成します。紳士服における他の様々な要素がそうであるように、そこには膨大な可能性があるのです。
紺色のスーツを例に挙げて、さらに詳しく説明していきましょう。まずは最も取り入れやすい、クラシックな組み合わせから。張りのある白シャツに、ソリッドカラーもしくはマイクロプリントのアクセサリーを組み合わせます。色は、青や、あるいは深緑など、同系色の暗い色調が最適です。次に、少し遊び心を加えた、タイムレスながらも印象的な着こなしを。柄物のアクセサリーを取り入れますが、スーツと同じ色を選んで全体のバランスを整えましょう。スーツと異なる色調を選ぶなら、すっきりとした印象のミッドブルーがお勧めです。最後に、着こなしの上級者なら、コントラスト色をうまく使いましょう。紺とオレンジを組み合わせた個性的なスタイルをお試しください。
さらにワンランク上の色使いを楽しみたいなら、大胆な発想で柄を組み合わせるとよいでしょう。完璧な組み合わせにルールはありません。スタイリストのヒントを参考に、お選びの柄に合いそうな柄(対照的な色合いなど)や柄のディテール(同じ柄でも異なるバランスでプリント・織り込みされているなど)を考え、相性の良い組み合わせを探してみてください。