1本の線維から最後のひと縫いまで――原料や糸についてEtonが行うすべての選択の根底には、職人の技に対する敬愛の気持ちと、長く使える設計に向けた革新への意欲があります。
天然のセルロース繊維である綿は、再生可能かつ生分解が可能な原料です。線維が長いほど糸と生地の強度が高まるため、Etonでは、ほぼすべてのケースで超長繊維綿を採用しています。上質な綿を選ぶことで、耐久性に優れたEtonシャツとアクセサリーの製作が可能になるのです。2022年には、Etonが初めてオーガニック綿およびリサイクル綿から製作した製品が店頭に並びます。さらに、2025年までに、すべての製品でオーガニック綿やリサイクル綿を使用することを目指しています。
オーガニック綿は、自然への負荷を減らした農法である有機農業の基準に従って生産および認証された綿のことです。オーガニック綿の栽培には、合成(有毒)化学物質の使用や遺伝子組換え作物(GMO)は認められず、肥料と農薬には自然由来のものが使用されます。 従来の綿と比較した環境への影響(繊維1,000 kgあたり) 出典:Textile Exchange/Life Cycle Analysis
リサイクル綿は、これまで廃棄物とみなされていた資源を活用した綿であり、生産過程もしくは消費後に出た廃棄物から残った繊維を取り出して作られています。リサイクル原料を使用することでバージン資源の採取の必要性を軽減し、埋立地に廃棄される廃棄物の量を減らすことができます。Etonが使用するリサイクル綿はすべて第三者機関の認証を取得し、Recycled Claim Standard(RCS)の認定基準を満たしています。
テンセル™は柔らかく軽量な再生繊維(リヨセル)であり、責任ある管理を実行する森林で栽培された、FSC™認証取得済みのユーカリから作られています。テンセル™は現在、柔らかさが特徴のフランネルシャツの大部分や、快適な着心地が魅力的なコットンテンセル™ストレッチシャツに使用されています。このなめらかな糸を生み出すのは、徹底した森林管理と高度な湿式紡糸法。自然の循環システムに化学反応を組み合わせたこの製法は、まさに技術の結晶です。テンセル™の生産は、化学物質の使用、水の使用、およびCO2の排出量を軽減します。
Etonは動物の権利を支持しており、当社のバリューチェーン全体を通して、その生産過程の中で動物の権利が確実に守られるよう取り組んでいます。Etonは、ミュールジング(羊への蛆虫の寄生を防ぐため、子羊の臀部の皮膚と肉を切り取ること)を容認しません。また、生きている動物からのウールや毛皮の採取や刈り取りについては、あらゆる形においても動物に苦痛を与える方法である場合、それを容認しません。Etonが、危急種もしくは絶滅危惧種から採取した原料の使用を支持することは決してありません。
Etonでは、地球への影響を念頭に置きながら製品デザインの最適化を行うため、従業員が主導となって様々な試みを行っています。たとえ今は小さな変化でも、継続することでいつか大きな変化を生み出すことができる――Etonはそう信じています。
2021年秋――それは、Etonにとって、これまで使用してきたシャツのボタンを段階的に廃止する取り組みのスタート地点となりました。当社は、従来のボタンと同等の洗練された見た目と雰囲気、そして品質を保ちつつ、リサイクル素材で作られたボタンへの切り替えを行います。最も多く使用される色である白のボタンから始め、既に生産済みの資源を無駄にすることなく、その大部分を段階的に切り替えていきます。
ボタンの色によって原料の90~95%をリサイクルポリエステルが、5~10%を着色料が占めています。リサイクルポリエステルはその40%に再生可能資源(植物油、多糖類)が使用されています。
Etonシャツには、異なる2種類の糸が使用されています。ひとつはシャツ全体の形を作るための糸、そしてもうひとつはEtonが誇る丈夫なボタンホールを作るための糸です。現時点で、当社ではボタンホールの作成にリサイクルポリエステル糸を採用しています。そのため、Etonが製作するすべてのシャツで、環境への悪影響を軽減することに成功していると言うことができます。さらに、製品開発部門は現在、シャツ本体に使用される綿糸をリサイクル素材に切り替える取り組みを進めています。
Etonでは現在すべてのシャツにおいて、首元のタグと、襟台に施された人気のブルーラインをリサイクルポリエステルで作成する試みを行っています。